D i a r y

雨が泣いている夢を見た。

目が覚めたとき、
もう昼過ぎだった。

なぜか、雨に電話した。

むこうはもう真夜中だ。


出るはずはないと思っていた
でも、雨は出た。

涙声だった。

やっぱり泣いていた。

どうしてあげようもないと思った。

今のおれが、

何をすれば雨を救える?

わからなかった。

大切だ、と雨に言った。

雨が泣きじゃくりながら

頷くのが受話器越しにわかった。

おれたちの好きな歌を

歌った。

雨の寝息が受話器越しに

小さく聞こえて、

おれは、いつまでもそれを

黙って聞いていた。




2006.12.29
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