Secret×Honey



「昨日、泣きそうな顔で音弥のこと捜してた」

「…美海が?」

「…ったく、鈍感」




美海を抱きしめた時の記憶はある。
だって、起きてたから。

でも美海……

…ああ、わかんねぇ。
麻菜が言ってる“鈍感”の意味だっていまいちよくわからない。


俺、鈍感じゃねぇし。
割に敏感だし。






「生徒会室行かなくていいの?美海ちゃんに会えなくてもいいの?」

「……行く」

「鈍感くん、そこ直さないと手に入るべきものも入らなくなるよ?」

「鈍感じゃなくて、敏感。間違えんなよ」





自分だって鈍感なくせに。

そう思いながら、立ち上がり生徒会室に向かう。



麻菜には近々、執事が来る。写真を見せた途端にソワソワ仕出す始末。

口では、どんな人かわからないから心配だって言ってるけど、そのソワソワはたぶん……恋?

まあ、執事カッコいいしな。

お兄ちゃん、複雑。



なんて柄じゃないけどな。















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