Secret×Honey

―君に届け




♪~♪~♪


「もしもしっ!」

『ちょ……美海?』


電話を掛けてきた相手―光はかなり驚いた様子。

声が焦ってるし。



『え…何、走ってんの?』

「ハァ…ハァ」

『なんで?!』

「…行かなくちゃ」



光は本気で焦って、かなり驚いてる。

そりゃそうだよね……

“行かなくちゃ”としか言わずに電話相手が走ってるなんて。

しかもめちゃくちゃ息切れしてるなんて。




『ほんと…どうしたの?』

「時間が…ハァ…ないの!!」

『……もしかして、音弥?』




的のド真ん中。
ドストライク。

なんで光はこんなに、あたしの心を読めるの?

鋭い以上に、エスパーかなんかじゃないかって思いたくなるよ…





「も…時間やばい…」

『……なった』

「ハァハァ……ん…?」

『ごめん、なんでもないから急ぎなね!』



プツッ

意味深な言葉を残して、電話が切れた。

あれは…光の応援の言葉…なのかな?















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