年上の先生
別居の文字が、
私の心を締め付ける。

先生の黒板に書く文字を
思い出していた。

あんな字で書かれたら、
納得できるはずなのに、
私は一体、
何故生まれて来たのか、
理解に苦しむ。

私は涙がポロポロと
出てきた。

そんな時は、
ベランダに出てお月様を
眺めていた。

願いを叶えて欲しい。

そんな思いを込めて、
眺めていると、
先生が声を掛けてきた。

「どうした?」

「先生。」

私は涙を拭いて、
関わらない様にすると、
先生から声を掛けてきた。

「両親いないのか?」

「関係ないです。」

「あるだろう!!
俺は山本の担任だ。」

「担任でも、
私に構わないで下さい。

私はこの世に生まれて
来なかった方がいいんです。」

「バカか!!!
お前は生まれてきて、
正解なんだ!!」

正解と言う文字が、
私には理解出来なかった。

「じゃあ。
何故あんなに愛し合って
結婚をしているのに、
別れるか理解出来ない。

そして私を引き取りたく
無い為に、
1人で暮らせと書置きを
して出て言った。

そんな両親の事を
私は理解出来ないし、
したくもありません。」

私は言いたいだけ言って、
部屋に入った。
< 16 / 102 >

この作品をシェア

pagetop