空をなくしたその先に
「大変、急がないと。

船に乗り遅れたら、次は三日後になっちゃう」


あわてて彼女はニースの部屋へとかけこむ。

連れられて出てきたダナを見て、ディオは目を丸くした。

昨日と同じ服を着ていても、まるで雰囲気が違う。

どこで用意したのか、
ミーナが選んだかつらは

明るい茶色のふわふわとしたもので、

ダナの碧玉色の目とよく合っていた。


「びっくりした?」

「……うん、まあ」


時間がないと、ミーナは二人を追い立てる。

二人が乗船手続きをすませたのは、出航の十分前だった。


「体には気をつけなさいね。

落ち着いたら、手紙でももらえたら嬉しいわ。

うちの人はだめだけど、私は文字を読めるから」

「お世話になりました」

「いろいろとありがとう。その……買い物とか」
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