空をなくしたその先に
12.思いがけない再会
一等客室や特別客室ともなれば、
部屋も広くゆったりとしていて、快適な船旅が約束されている。

国にいた頃のディオなら王室専用船で移動だし、

留学中は他の学生たちと一緒に行動することになる。

金持ちの家の息子というのは、金銭面ではいたって鷹揚な人物が多く、

奨学金をもらっている学生たちの分も誰かが支払って

一等客室を使うことが半ば慣例化している。

身分から言えばディオは支払う側なのだが、

残念ながらいつも支払ってもらう側だった。

というわけで噂には聞いていたが、二等客室に入るのはディオは初めてなのである。

せまい。

それがまず最初の印象。

部屋の片側にどんとベッドがおかれ、

もう一方にはベッドとしても使用できるソファとテーブル。

壁に作りつけられたクローゼットをのぞけば、あとは家具らしい家具はない。

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