空をなくしたその先に
昨日同様、食堂で食事をすませてそのまま甲板へとあがる。

ダナの眉が物言いたげにはね上がったが、見なかったと自分に言い聞かせる。

見ていなければ気にもならない。

あの部屋に二人きりでいるのは、息がつまりそうだった。

その責任はディオにあるとしても。


「何だよ、今日一日見かけなかったじゃないか」


上着を肩にひっかけて、これまた昨日同様に若い女性に囲まれていたフレディが、話を中断して近づいてくる。

ダナはフレディが近づいてくるのに気づくと、
肩を一つすくめてその場を離れた。

少し離れた場所から壁に背を預けて、二人の様子を眺めている。


「何だ何だ喧嘩でもしたか?昨日とずいぶん様子が違うぞ」


フレディはにやにやしながら、交互にディオとダナに視線を送る。
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