空をなくしたその先に
二機を見比べて、初めてディオは気がついた。

ビクトールの機は、一人分しか席がない。


「ダナ。君の戦闘機って二人乗りなの?」

「本来はね」


自分の戦闘機を見つめながら、ダナは続けた。


「前の席がパイロット。
後ろの席は射撃担当ね」

「あれ、でも……」


救出に来てくれたあの時。

確かにダナは追ってきた二機を、撃墜していた。


「パイロットの席からも攻撃できないわけじゃないの。

そっちに集中力を取られちゃうから、
分業できるならやらないけど。
あんたじゃ乗ってるだけで精一杯でしょ」

「そりゃそうだけど」


ダナの言っていることは正しいのだが、
そうぽんぽん言われては面白くない。

乗っているだけで精一杯と言われても、
戦闘機に乗ること自体生まれて初めてだ。

それ以上のことは期待しないでほしい。
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