空をなくしたその先に
仮に十名。

書類の上ではたった十名でも、無慈悲に奪われた人生の重みは
たった、という言葉では片づけられない。

人の命が終焉を強制される瞬間を目の当たりにしてきた。

王都までの旅の間に見聞きしたことが、ディオを動かした。


「終わらせたいんだ。この戦を」

「終わらせる?」

「交戦するたびに命が奪われるという事実は消しようがないから、

だから、

僕は」


できるだけ奪われる命が少ないように、早期の決着を。

そのために出ていく。

安全な王宮に身をかくすのではなく戦場へと。

間に合わないと判断してすぐ、フォースダイトを兵器転用できるようにした戦闘機を用意することに時間を費やした。

ダナの戦闘機から取り出したフォースダイトを使って。

乗員は二名必要だ。

パイロットと後ろでフォースダイトから抽出するエネルギー量を制御する者と。
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