ストロベリーショートケーキ

8.好き、なの?




「おばさーん!おはよっ」



いつもとおんなじ朝

いつも通りシンを迎えに行く。



「ゆあちゃんおはよう、今日も元気ねぇ
ちょっと待ってね今呼んでくるから」



そう言うとおばさんはシンを呼びに行った。

少ししていつもみたいに眠そうに目を細くして、手にネクタイを持ったシンが現れた。



「お、おはよっ!」

「…おー。ん、これよろしく」



シンは頭をかきながらネクタイをゆあに渡すと、少し屈む。

結んで、ってことだよね…



「う、うん」



ゆあはネクタイを受け取って、いつもみたいに結ぼうとしたんだけど…



「あれ?」



なんでだろ、なんだかうまく結べない。



「何やってんの」

「だってぇー」



ちらっと目線を上に上げると、シンと目が合う。

う……

なんでかわかんないけど、ぱっと目を反らしてしまった。



「し、シンのせいだっ!」

「は?」

「行ってきます!!!」



ぎゅーっとネクタイを結ぶと、先に家を出た。



< 47 / 66 >

この作品をシェア

pagetop