893〜ヤクザ〜
テキ屋通い
翌日からわしのテキ屋通いが始まった。



厨房に入ると、本田君から若を紹介してもらった。

これまた姐さん同様、想像していた親分の息子のイメージとは違い、優しい感じの人やった。



18歳のガキに、若は屋台の組み立て方から鉄板のヤキの入れ方、生地の作り方、秘伝ソースの作り方まで丁寧に教えてくれた。



それからは毎日、朝事務所に挨拶がてら顔を出し、そのまま厨房に入り仕込みをして、準備が出来たらワゴン車で駅前に向かう。そして一日中タコ焼きを売る。

そんな毎日が続いたんや。
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