893〜ヤクザ〜
すると、本宅の前で急ブレーキのする音が聞こえた。



キィィーーーーィィ!!!



ドアを開けて外を見ると、さっき出て行ったばかりの原田君がゴミ袋を肩に担ぎ、シーマから飛び降りてきた。



怒ってるのか泣いてるのかスネているのかよく分からない。



「姐さん!!!これわしの服ですやん!!!!もぉ姐さーーーん!!!!(泣)」



泣いとったんや。



「はやっ!!!あんた出て行って5分も経ってないがな!!!もう中見たんか!!!どんだけイヤシイねん!!!!!!笑」



「姐さんこれ7万もしましたんやで……(泣)」



「そんなん知らん!!事務所にほかしたる原田が悪いんや!!!!!」



「椅子にかけてただけでっしゃろが……(泣)」



「椅子は座るとこや!!服かけるとこやない!!ほなあんた明日からハンガーに座れ!!!!!」



全く意味が理解出来ない。

泣きそうな顔の原田君の手には、あのたくましい金の龍がまるでタコのようにブツ切りにされとった。
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