ハッピーエンドのその先に
1.初デート

待ち合わせ


すでに10分遅れ

止まると同時に飛び出すホーム

駆け上がる階段

息を切らしながら

混雑する人波をよけて

改札を見る


いた!

怒ってる?

呆れてる?

ううん、どっちでもない

しょうがないなあって笑顔

ごめんね

今すぐ行くから


ゴメン

ほんと、ゴメン

手を合わせて謝ったら

大きな手がポンと頭に乗った


ほら、つやつやでしょ?

どうしても寝癖が直らなくて

シャンプーしてきたんだ

頭に手をポンってされるの

好きだから

きれいな髪で来たかったから

でも、遅れたワケは

あなたには内緒



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