虹色ハート

生後３６日目

　今日も病院のベッドで新しい言葉を聞きました。

『神様は全てに意味を与える』
　だったら、アンナの生まれてきた意味ってなんだろう。
　命の重みや素晴らしさを誰かに知らせるため？
　アンナはそんな役目なんていらない。
　自分の死で命の尊さを教えるアンナには無理です。
　人間を作るのが神様なら、どうしてアンナは生まれながらの難病なのですか？
　それともアンナの病気は悪魔の悪戯なのでしょうか？

『赤ちゃんの人生を受け止められる人の所に生まれてくる』
　こんなに短い一生なんて誰にも受け止められるはずがありません。
　パパとママは夜中まで話し合ったけれど、どうしても答えはみつかりませんでした。
　たぶんアンナの短過ぎてやり切れない一生を振り返る日が訪れます。　
　パパとママはその時までもう泣きません。
　アンナが生きている限り笑っていこうと決めました。
　そう言いながらも涙が出ていたよね。
　
　精一杯の命。
　必死の心。
　無償の愛。
　永遠の魂。
　アンナはいつもパパとママとおねえちゃんの胸の中に抱かれています。
　幸せです。
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