彼氏キケン地帯
第二章

危険な香り




やっと、心がひとつになった。


お互いの気持ちが信じ合えた。


気持ちが確かなものになり、絆ができたって感じ。


そんな幸せなところで、なんと!なんと!


さらに幸せ!


『明日、ここに行こうぜ?』


尚の手には、新しくできたテーマパークのチケットが二枚。


デ、デート!


付き合って四ヶ月。

尚と、念願の初デート!


四か月ほど前にこの日を夢見て買っておいた、スカートタイプのロングセーター。


つまり付き合ってすぐ、いつデートに誘われても大丈夫なように買っていたもの。


中に、とっくりタイプで裾がひらひらと二重になっているスカートを重ね着。


ベレー帽型の、ちょうど耳の上あたりに花がついている帽子を被り、完成!


首もとには、小さなシルバーネックレス。

小さなピンクのハートが、ちょっとオシャレ。


ブラウンのブーツを履いて、あたしは待ち合わせ場所の噴水の前にいる。

待ち合わせの三十分まえからここで、愛しの尚の姿を浮かべていた。


…というか、ここに来てもう一時間が経とうとしていた。




「…場所、間違えてないよね?」


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