モノクローム
とりあえず絵里に電話した。
「はいよ!朝から何?」
絵里の元気そうな声が、頭に響く。
「ごめん、熱出たから今日休むね。
多分扁桃腺だからしばらく無理かも」
「まぢぃ?わかったー!」
(てか、そのデカイ声やめてくれ〜!頭痛いってば)
心の中で突っ込む。
「でさぁ、悪いんだけど…
雅史クンからヒロに伝えてもらえるように頼んで?」
「は?そんなん京奈、自分でヒロくんに言えばいいじゃん?」
「…うーん」
「なんかあった?喧嘩したの?」
「違うけど…とにかくお願い!
ヒロ心配性だし…ほら、電話すると学校行かないで、家に来ちゃいそうだから」
「んー、りょーかい!お大事にね!」
本当はヒロの声を聞くのが辛かったから…
あたし……
完全に零を好きになったみたいだから…。