モノクローム
「お願い…我が儘だってわかってる。
凄く勝手だってこともわかってる。
…だけど…気持ちに嘘はつけない。
ホント…ごめんなさい」
あたしはベッドの上に正座し、ヒロに頭を下げた。
「や、俺は認めないから。別れる気ないから」
そう言ってヒロは持っていたパンフレットを、グシャッと両手で捻り潰すと
それを無造作にごみ箱へ投げ入れ、あたしの部屋を後にした。
(なんで言っちゃったんだろう…)
少し後悔していた。
涙が溢れて止まらない。
静かな住宅街に、ヒロの車のエンジンの音が響き
段々遠くなっていくのを聞いていた。
ヒロ…
ホントにごめん。
ごめんなさい……。
あたしは泣きながら、心の中で謝った。
まさか…
次の日から
あんなこと
起こるとも知らずに・・・
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