好調の理由
男「どこだー!どこにいるんだよ~!」




男は家中を慌ただしく叫びながら、何かを探していた。




男「ネロ!ネロ!ネロ~」




男は海へ向かって一日中叫び続けた。









数時間前




"あたいにも・・・そろそろお迎えが来るようだ。いかなきゃ"





老猫はやっと重い腰をもちあげると、おぼつかない足で慣れた手つきでドアを開け、外へ出ていった。





それっきり、その猫がもう一度そのドアを開ける事はなかった。













男と女は人混みの中、何処かへ向かい歩いている。




女「それにしても今回の・・彼・・・・・犯人はどこにいっちゃったのかしら」




男「・・・・・・・・・・・・」





女「しっかし、酷いことしたけど。数えきれないくらいの命もまた救われたんですよね〜!すごいですよね~!私も天才だったらいいのになぁ~!50過ぎてから医者になるんて!何があったんだろう!!!好調を維持する秘訣はなんだったんだろ~?毎日、いいご飯食べてぇ~、しっかりした奥さんがいてぇ~とか・・・・だったんでしょうね!きっと、そうに決まってる」





街ではクリスマスが近付いている事もあり、華やかなイルミネーションで彩られている。





男「そういえば、今日は雪が降るらしいね」




女「ロマンティックね~、ホワイトクリスマスなんてぇ・・・・サイコー!女はいつもそれを願っているの、ムードを大切にするんですよっ・・・・先生知ってますか?」




女は先生と呼ぶ男を見ていった。





2人は公園の横を通り過ぎた。






沢山のダンボールで作られた家が密集していた。

少し離れた所にも、“ポツン”と一つダンボール製の家がある。







その中には、猫のぬいぐるみを抱え・・・・・・“冷たくなった”男がいた。










街に降り始めた雪は




クリスマスを白く染め始めていく。





by sapphire

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