龍と虎に愛されて。

土日開け。


教室に入ると、真っ先に龍心の姿を探した。


二日間、龍心からなんの連絡もなかったから。


いつもだったら短文でも一日一回はメールをくれるのに。


なんてことのない変化が、今のあたしにはとても気がかりで。


「明菜、おはよ~!!」


「瑞穂……おはよ。ねぇ、龍心ってもう来てる……?」


「あ~……、まだ来てないみたいだね」


「そっか……」


きっと寝坊したんだ……。


そう思って、その時は深く考えようとしなかった。


だけどこの日、結局、龍心は学校に姿を現さなかった。
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