折れない心

見えない想い

『今年のお買い物はもうお済みで
 しょうか。今年も残すところ、
 後少しとなり・・・・・・』




もう31日かぁ、早いなぁ。



あたしは店長から年末年始に休みをもらい、クッキーを食べながらテレビを見てくつろいでいた。




お買い物って言ったって、買う物ないしね。




とりあえず、大晦日用のインスタントの天そばは二つ買ったけど・・・・・・




服にこぼれたクッキーの粉をはらいテレビを消した。



「さてと、ママの所に年末の
 ご挨拶に行きますかぁっ!」




白いジャンパーを羽織り、黒いブーツを履き玄関を出た。






空には白い羽毛のような冬の筋雲が頭上に広がっていた。




暖かい所にいたあたしの体が、冬の冷たい空気でキュッと引き締まった。




呼吸する度、吐く息が白い。



「はぁぁ・・・
 さっむ・・・凍えそうだ。」






病院行きのバスに乗り、一番後ろの席に座った。





お正月と言っても何か予定がある訳でもなく、反対にバイトに行けばよかったかなぁと思った。



那抖も休みのはずだけど、何してるんだろ。



あたしっていつもそうだけど、付き合っても自分からは連絡しない。



ほんとにあたしが好きなら、朝一番におはようメールとかしてほしい。

わがままかなぁ・・・



病院で、あの時ぶつからなかったら那抖とは付き合ってなかったんだろうなぁ。



そっかぁ。
病院があるから自然に二人は会えてた訳だけどなかったら・・・
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