折れない心
ごめんね・・・


起きてる時間に来れなくて・・・


ご飯ちゃんと食べれた?


痛くなかった?


ごめんね・・・


また明日来るからね。




「おやすみ。ママ・・・」

そう言い残して病室を出た。





「ふぅ・・・」




なんだか病室は息苦しい。



明日は早めにこよっと。


あたしは勢いよくエレベーターの『↓』のボタンを押した。




エレベーターが3階に昇ってきた。

1・2・3――

――チンッ!



―─ドンッ!


ドアが開いた瞬間、乗り込もうとしたあたしは、何やらでっかい物体にぶつかった。




「イッテェ〜!」

「いったぁ!」




「すんませんっ!」

「すみまっ・・・」




「あ〜!
 コンビニの子じゃんっ!」




「土禁ちゃ〜んっ!」

ぶつかったのは、今日コンビニで会ったばかりのあの笑顔が素敵な人。



「えっ?」



「いやっなんでもっ!」



「誰かのお見舞い?」



「あっママが入院してて・・・」




「そっか、うちは父ちゃん!
      ・・・もう帰るの?」




「うん、ママ寝てたし」



「あっ!じゃあさぁ、
 ちょっと待っててよ?
 父ちゃんの様子見て
   すぐ戻っから!」




「うっうん、いいけど・・・」




「よっしゃあ、
 ちょ、待っててなぁ♪」

土禁ちゃんは全速力で走ってた。




ちょっと〜!
そんなパタパタ走っちゃマズイッてば・・・




あ〜でもびっくりした。




こんなところで会うなんてね。




お父さんって、なんの病気なんだろ・・・




重い病気じゃなきゃいいんだけどなぁ・・・




そう思いながら待合室の黒いソファーに腰掛け目を閉じた。
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