折れない心
ケトルにミネラルウォーターを注ぎ、ガスを点け、トースターへ食パンを放り込み、焼いている間に着替えをした。




途中、紺ソックスを裏返しに履いているのに気付いた。




「あーん、もー・・・
 目が覚めない・・・・・・・」




ホットコーヒーに食パンをかじりながら、学校に行かなくてもいい口実を色々と考えた。




「う〜ん。ないな・・・」
そう一人つぶやき、渋々歯を磨いた。




「あっ、やっば!」




いつも乗るバスの到着時間まで、後三分しかない。




急いで玄関で靴を履き、バス停までダッシュし、最後に乗車している人に続いて、いつものバスに飛び乗った。

「ふぅーっ、ヤバイ、ヤバイ」


乗ったバスは、前にも後ろにも身動きとれない満員状態だった。




あぁだるい・・・・・・

座りたいよ〜。

帰りたいよ〜。


うぅ〜っ、ぎもぢわるーい・・・・・・




男子の汗くさい臭いと、女子の香水の香りが混じった臭い。




そして一番の原因は、間違いなく『寝不足』




学生専用バスだから、サラリーマンがいないのが、せめてもの救い。




マジ・・・帰りたい・・・・・・・・




でも何となく、そのままみんなに流されるように校門までたどり着いてしまった。
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