女シャブ売人人生-波瀾万丈な一人の女の物語-
携帯のコールが鳴る。
以前と同じシャブ屋として『売人ゆか』として対応している。
私は出産し、我が子を授かりながらもシャブ屋として頼りにされていた。『やめられたら困る』
その一言からなのか。
『いや、違う。』

と今は思う。
でも、あの時は全く自分が頼りにされている事とどうにかしようとしていただけ。
シャブ屋として過ごした妊婦生活で世話になった人達への恩返しという気持ちでいた。

今となれば綺麗事を並べていただけやと思う。
ただの言い訳、口ぐせでシャブ屋から抜けた後、一人になるのが怖いとも思っていた。
我が子がいるのに…

産まれたばかりで3時間おきに母乳をやり寝ているだけの我が子。
赤ちゃんは泣くのと寝るのが仕事ってやつ。
3カ月位までは、こんな感じで寝ていてる時間が長い間にシャブ屋の仕事で繋ぐ先もキッチリ繋ぎ、
綺麗に仕事をやめられる期間としできる限りをして終わりにしようと再び出産してシャブ屋に足を踏み入れる事になった自分に対し決意したのです。
代理のえりなにバトンタッチして2週間を前に、ドッポリとシャブにはまるえりなの姿を見ながら決意した訳は2週間目のある日に私からえりなに『話がある』
と切り出した理由にも意味が含まれていたのでした。
< 18 / 28 >

この作品をシェア

pagetop