*彼、許婚*
でもきっとこいつのことだから
好きな人が出来たとでも言わないと引かないだろうな
「ねえ優」
「…そうだよ。好きな奴が出来たんだよ」
美和子は『エッ』と息を飲み
下を向いて、ヒクヒクと鼻をすすり出した
次は泣くのかよ。
「ゆうぅ゛…」
「…俺は、おまえの期待に答えられる男じゃないから」
なんて自分でも言ってて恥かしい言葉を吐いて
俺は屋上を出た
そこには
「終わったか?」
「なんでおまえがここに居るんだよ」
そこには涼太がいた。
教室に戻ってなかったのかよ