窓に影2

 一息ついて、私もガトーショコラを食べた。

 歩と再び気持ちは繋がったけど……。

 現状、3ヶ月は何にもないわけだし。

 これってつまり、欲求不満というやつだろうか。

「なあ恵里」

「なに?」

「俺、明日からのセンター試験も、二次試験も絶対うまくいくから」

「すごい自信だね」

「恵里がかかってるからな」

「あたしが?」

「そう、だから……覚悟しといて」

 フォークをビシッと突きつけ、歩は不敵な笑みを浮かべた。

 自信満々。

「覚悟って……お願いのこと?」

「そう。我ながら大したお願いだからね」

 その言葉に少し不安になる。

 どんな頼みだというのだろう。

「いい加減教えなさいよ、その内容」

「やだね。合格っていうよりそのために禁欲しているわけだし、俺は」

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