俺様王子と貧乏姫様
ぱっちりと目が覚めてしまった私は、すぐにメイド服に着替えて、朝ごはんのお手伝いをしにいこうと外に出ようとした。すると、
「あっ、紗月ちゃーんっ」
なぜか急に美春ちゃんに呼び止められて手招きをされた。
何だろうと疑問に思いながら、美春ちゃんのところまで戻る。すると、美春ちゃんは私の肩を掴むと椅子に座らせた。よく見ると、美春ちゃんの手にはいつの間にか、くしがある。
「ちょっと待ってねぇ、紗月ちゃん、髪結構長いからねぇ。しばってあげるっ」
美春ちゃんはそう言って、鼻歌を歌いながらくしで髪をとぎはじめた。
結構前から切っていなかった髪は胸の辺りまで伸び、お母様と一緒で真っ直ぐストレートな髪質で、小さい頃しか髪をしばってなかったため、美春ちゃんに髪を触られるとなぜか緊張した。