子供+大人=恋?の方程式
「は~な~せ!」
「な、なんだよ、お前。
そんなにすごんだ目で見てこなくても………」
「あんたにはたかがかもしれないけど、これから家庭教師として圭くんと会うあたしとしては大切なことなのよ!」
「そ、そっか?」
勢いに押されるように言いよどむ拓斗にあたしは真剣に頷いた。
ここで聞いておかなくちゃ、あたしの計画がここでおじゃんになっちゃうじゃん。
あたしは大人しく、ずっと家庭教師をつけられるつもりなんてないんだからね。
絶対に、圭くんに話して家庭教師を辞めてもらうんだから!
そのためにも、圭くんがどんな人柄なのかあたしは知る必要があるのよ!
そんなあたしの意気込みが拓斗にも伝わったのか、拓斗はコクコクと頷きながら「話す、話すよ」と素直に折れた。
「………ったく、
たかだか圭史のことを話す話さないでそこまで怒るなよな~…。
第一、俺も圭史のことはあまり知らないし………」
「ごちゃごちゃ言ってないで、さっさと教えなさいよ!」
話すと言っておきながら、未だにブツブツと煮え切らない態度の圭史にあたしは鋭い視線を投げかける。
ったく、ちゃっちゃと教えてくれればいいだけの話なのに………。