社長の息子と恋



それからあたしは心吾に聞けないでいた。
だけど聞かないと嘘つきになってしまう。


あたしは恐る恐る自転車を漕ぐ心吾に聞いた。


『心吾…あたしの友達が心吾とメールしたいんだって。
アドレス教えてもいいかなぁ?』


お願い、嫌って言って……


「返さなくてもいいなら勝手にすれば。」


予想外の言葉にあたしは胸を痛めた。


『…分かった。』


あたしってばなんて嫌な子だろう。
自分は悪者にならなくていい方法を探してる…


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