聖夜の軌跡
白い部屋
あたしがいるのは真っ白い部屋。

……っていってっもあたしの家の中なんだけど。ていうかあたしの部屋なんだけどね。

目の前には専属の医者。


「何ですか?碧-アオイ-様」

ずっと見つめてるとそれに気づいた専属の医者が振り返った。


「……その碧様ってやめてって言ってるじゃん。敬語も」

目の前のこの男は島崎秀-シュウ-。

家系的に有名な医者。若くしてその才能が認められて、25歳にして、あたしの専属をやってる……らしい。


「まぁそう言わないで。碧はお嬢様なんだから」

「別に、お嬢様なんて思ってもらいたくないしっ」


そう。実際、あたしは正真正銘のお嬢様ってやつ。


家は一日じゃ回りきれないほど広いし、財産だってものすごい。
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