新しい関係〜New Color〜《短》

強引に奪われた唇。

重なった唇と、絡み合う舌が熱い。


あの男はこんな激しいキスはしなかった。

もっと優しく、私を気遣うようなキス。

ゆっくりと私の身体を溶かすように。


だけど昴のキスはそんな生易しいものじゃない。

激しく私を奪いにくる。

息をすることさえ許してくれない。

私の身体は息が出来ない苦しさと、唇や舌の熱さで限界寸前だ。


でも……なぜかそんなキスがすごく気持ちいい。

もしかして私、マゾなのかも。

空気が回らない脳でそう思ったとき、唇に感じていた熱さが半減した。


思いきり空気を吸い込む。

それと同時に唇や身体の熱さも少しずつ冷めていく。

その感覚が少し惜しく感じた。
< 14 / 22 >

この作品をシェア

pagetop