柘榴
おおっと…。これは予想外。

察しが早い人だ。

「えっええ」

「興味を持ってもらえて嬉しいよ。あいにくとチラシは今、手元に無くてね。まあ無くてもすぐ隣だから」

「隣?」

サガミ先生が指差した方向には…隣のビルがある。

「あのビルの8階でやっているんだ。講師は僕の先輩夫婦。若い人向きの肉料理を教えてくれるんだ」

…なるほど。接点はあったんだな。

野菜料理担当という名前に、頭が回らなくなってた。

「ところでサガミ先生は、あそこの料理教室のメニューをご存知なんですか?」

「全部というワケではないけどね。ある程度なら知っているよ」

キシの問い掛けにも、サガミ先生は穏やかに答える。
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