柘榴
強烈なノドの渇きを感じる。

ああ…ダメだ。

アタシは懐から、ナイフを取り出した。

銀色の薄い刃が、夕日の赤に照らされ、妖しく光り輝く。

そのまま刃を手首に当てた。

―が。

「また、血を飲むつもり?」

声をかけられ、ハッと我に返った。

この声はキシじゃない!

聞いたことのある、この声はっ…!


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