柘榴
キシとは、あの公園で待ち合わせをしていた。

彼からの指定だった。

…アレから、キシとは付き合いを続けていた。

だけどどこかギクシャグしているのは、事実だった。

お互いに先生のことは禁句のようになっていて…ちょっと心苦しかった。

公園に着くと、ベンチでキシが待っていた。

「ゴメン、待たせた?」

「とんでもない。ボクはヒミカの為なら、1日だって待てますよ」

「そこまでさせないわよ」

アタシはキシの隣に座って…、キシの肩に寄り掛かった。

キシは何も言わずに、頭を撫でてくれる。

最近ではこうして素直に甘えられるようになった。

それがとても嬉しい反面、罪悪感も拭えなかった。

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