甘い魔法―先生とあたしの恋―
「先生が、好きだから―――……」
見上げながら言った言葉に、先生は何も返事をしなかった。
見つめ合ったまま無言の時間だけが過ぎて……あたしは唇を噛み締めながら先生から目を逸らした。
「……あたし戻るから」
それだけ言って、先生に握られたままの手を振り払おうとした。
先生との唯一の関係を、断とうとした。
苦しいけど……、そんなの、嫌だけど……。
気持ちが届かないなら、せめて、先生に迷惑をかけたくないから。
だから―――……
もう、生徒と教師の関係は、いらない。
……でも、先生の手は離すどころが、あたしの手を強く握り直した。
「……先生?」
不思議に思って見上げようとした時……、
握られた手を引かれて、先生の胸の中に抱き寄せられた。
一瞬にして広がる先生の香りに、心臓がびっくりしたように速度を上げて動き出して身体を震わせる。
背中に回された先生の腕にドキドキしながらも、必死に冷静な考えを引っ張りだす。
「先生っ……離して……」
震える声に
浮かび上がる涙に、それだけ言うのがやっとだった。
『やめて』だとか、『やだ』だとか、そんな言葉は言えなかった。
先生の事を拒絶するような言葉なんて……言えるハズがなかった。
本当は
やめて欲しくなんかなかったから。
ずっと、こうして欲しいって思ってたから。