甘い魔法―先生とあたしの恋―


そんなの……


「嘘だよっ!

だって……馬場先生、先生が髪触ったとか、じっと見つめてきたとか言ってたもん!

先生があたしを抱き締めたのだって、『私と間違えたのかも』って……言ってたもんっ!!」

「だからそれも……、

馬場先生、おまえと同じような髪型だから、なんか見てるうちに市川と重ねて自然と手が伸びて……

馬場先生が何か勘違いしてんのも、市川と馬場先生を重ねて見てたから、俺の視線が意味深だったんじゃねぇ?

……わかんねぇよ、俺だって。

つぅか……かっこ悪ぃな、俺」


先生は、バツが悪そうに頭をくしゃっと掻いて、困り顔で笑う。

そんな先生の姿に……、喉の奥が熱くなる。


だって……

あたし、あんな事言ったのに……


それなのに、まだ、好きでいてくれたの……?


あたしを―――……




「……嘘」

「嘘じゃねぇよ」


呟いたような言葉を、先生の力強い声が否定した。


『普通の恋がしたい』

『普通の彼氏が欲しい』

自分の言った嘘が頭に浮かんで、あたしは視線を床に落とす。



まだ想い続けていくれていた先生が、嬉しくて……

信じられないくらいに、嬉しすぎて―――……


……―――でも。





< 411 / 455 >

この作品をシェア

pagetop