甘い魔法―先生とあたしの恋―

浮気



「あ……」


夕食後、ペットボトルを買い忘れた事に気付いて、あたしは顔をしかめた。

明日も紅茶を入れればいいだけの話で、そんなすぐに必要もないんだけど……。

なぜだか予備的なものがないと落ち着かないところは、やっぱりA型なのかもしれない。


ケータイのデジタル時計が20時10分を示してるのを見て、コンビニに行くために部屋を出た。


寮からコンビニまでは歩いて5分程度。

なんだかんだで週に2、3回通ってるせいで、すっかり常連客になっちゃったのが少し恥ずかしい。

例え5分でも2リットルのペットボトルを何本も持って帰るのは結構大変で、何度か行き来するうちに2本が丁度いいって結論づいた。


街頭はあるけど、やっぱり暗い道は怖いし、いざって時に走って逃げる事になっても2本なら持って逃げられる気がしたんだけど……。

諒子には『っていうか捨てて逃げなよ』って呆れられた。


和馬には、いつものごとく言ってないけど。

言ったら夜の外出なんて絶対に禁止されそうだし。

……幼なじみっていうよりお父さんだな、和馬は。


暗い視界に、明るく目立つコンビニが目に入ると、少し安心するような気持ちになる。

誰かがいる灯りは、例えコンビニでもすごくほっとする。


コンビニに安心感だとか親近感を覚えるのってなんか寂しい人みたいで嫌だけど……拭えない事実に、少しだけ気分が落ち込む。






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