咲いても、枯れても2~ソラ色~
『お前には必要ないよ。まだ、知らなくていい』
そう言って、私を瞳に映す。
私が首を傾げると、秀くんは、ふっと微笑んだ。
花水木の花に劣らない、美しさで。
私には必要ない?
まだ、知らなくていい?
気になって仕方ないけれど、秀くんがそう言うなら、気に留めずにいるわ。
私は瞳を白い花に映す。
光を浴びて、柔らかく咲く。
この花水木が、紅葉に染まるとき、私たちの心は何色に染まっているのだろうか。