魔界の恋模様
「は、はい!昼寝してたらなんか大魔王さんに抱えられてまして!で、帰りたいんですけど…むぐっ!」

「ああ、もうよい」

本日二度目。
大魔王さんに口をふさがれてしまった。

「ふぁえふふぇふぉふぉふ?」

あ、今のは
『帰してもらえる?』
だからね。

…通じたかな?

「ふむ…人間が夢を見なくなったら帰れるぞ」

「…ふえ?」

今のは『夢?』
人間が夢を見なくなったら帰れるってどういう意味?

「ここは人間がみた夢を寄り集めた作られた世界だ。
つまり、人間が夢を無くしたらここも壊れる。
ここが壊れたらお前も帰れるだろう」

大魔王さんがそう言ったとき。
いきなり、ガクンと足場が崩れた。…大魔王さんの。

「…見ろ。また誰かが夢を無くしたのだ」

私は大魔王さんが指差した、真下を覗き見た。

そこで見た光景に私は驚愕してしまう。




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