溺愛コンプレックス
「俺もツバキに笑ってほしくて、いつもツバキの世話を焼いた。
それで、小学校高学年くらいで自分の気持ちに気付いた。ずっとツバキと一緒にいたいって」
「じゃあ、カナメ君がこれまでツバキの面倒を見てたのは…」
さすがアキナさんは頭いいな、とつぶやいて、カナメは続けた。
「ツバキを自分じゃ何もできない人間にしたのは、俺だよ。そしたらずっと必要とされる。ずっと一緒にいられるだろ?」
カナメはくすっと笑う。
「でも気持ちはエスカレートして、それだけじゃ我慢できなくなった。それが、今の現状だよ」