Triangle‐狼達とうさぎの関係‐



「雪乃!?」



門を出た所にいたのは陽詩だった。



「わ………」



「『わ』?」



「わ…わあ!陽詩だあ!
もしかしてまた
違う女の子のとこ行ってたの?
一人の子だけ見てあげないと
いくら陽詩でも愛想つかされちゃうよ〜?」


「…何それ?」



「何って…。だからー、
女の子は皆自分だけを見てくれる人が
いてほしいものな……っ!?」



言い終わるよりも先に
陽詩に抱きしめられた。



「そんな目赤くして
なに無理して笑ってんの?」



え…?

私……



「何があったのか知らないけどさ、
我慢しなくていいから。」



「我慢…?」



「だぁーかぁーらぁ〜…
泣きたいときには泣けってこと。」



その瞬間、一気に視界が滲み
頬に伝うのが分かったのを皮切りに
涙は止まらなくて…。



「よしよし。大丈夫だから。」



そっと撫でてくれる
陽詩の優しい声が聞こえた。



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