ラブ☆シェア

「あ、どうぞ、座って」


机に資料を置きっぱなしにしていたのに気付き、


慌てて片付けた。


私も、彼に対峙するように、座った。


「「あのっ」」


同時に、口が開いた。


「あ、ごめんね、先、どうぞ」


年下に、何故か緊張してしまった。


「榊原 実(ミノル)さん、って・・・もしかして・・・・」


「私よ、正確には、ミノリ。よく間違われるの。 でも、今回、そんなことはないと思っていたんだけどな・・・
で、どうしよう? やめとく? 女とわかったら、あなたも何かと不便でしょ?」


「あ、いえ、不便というか・・・
もう、前のアパート契約切れて、追い出されたから・・・」


「え? マジ? 少しの猶予もなかったの?」


「はい、大家さん、厳しかったんで・・・」


だから、キャリーバック持ってたんだ・・・・


ココに置いて欲しいと縋るような瞳で彼が私を見る。



「んーーーー、じゃぁ、仕方ない! 君が他のアパート見つけるまでってことでいい?」



「はい、助かりますっ!ありがとうございます!」



「部屋は、リビングを挟んで、2つずつあるわ、

こっちの部屋2つは、私の家具とかで、もう動かせないから、あっちの2つを使ってね。

キッチン・トイレ・お風呂は共同。
1つ部屋が余るけど、そこは、使わないでね。

それと、私、夜に出て朝帰る仕事なの。なるべく静かに出入りするから。」


「あ、俺も、バイト夕方から深夜なんで、大丈夫です」


「そう、じゃ、しばらくよろしく」


「はい、よろしくお願いします」


ソファーから立って、彼は、私にお辞儀した。






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