雨に流れる
居候のくせいにとかあれこれ考えつつも、ぐっすり眠っている彼女の顔にそっと触れてみる。

…温かい。

顔にかかっている髪をそっと持ち上げると、いつも以上に幼く見える彼女の寝顔。

その頬にそっと掌を当ててみても、身動き一つしないルナ。

起こすべきか悩んで、あまりにも気持ちよさそうに眠っているのでそのままにしておくことにした。

アイスは明日一緒に食べればいいか。

着替えを持ってお風呂へ行き、シャワーですっきりしてから俺も眠ることにした。

彼女の部屋から掛け布団を持ち出し、リビングにごろんと寝転がる。

ふとカーテンの隙間から外を見ると、窓に雨のしずくが幾つも付いていた。

「雨…」

帰ってくるときは降っていなかったのに。

小さくため息をつき、窓の背中を向けるようにして寝がえりを打つと俺の寝室が目に入って。

なんだか落ち着いて眠ることもできないのか。

床で寝るのをあきらめて寝室へ行くと、シングルベッドの上で小さくなっているルナの横にもぐりこんだ。

狭いけど、まあ、仕方ないか。

勝手に俺の部屋で寝ているルナが悪いんだ。

彼女に背中を向けるようにして布団をかぶる。

横から聞こえてくる、彼女の規則正しい寝息を聞いていたら、いつの間にか俺も眠ってしまっていた。
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