自分探しの旅
『気のせいだ・・・そうだ、気のせいだ。』

 京介は口を閉じたまま、つくり笑いをしておどけて見せた。そして今度は窓ガラスに映る人々の顔をじっくりと確認する。

『バカみたいだ。』

 そう思ったものの、相変わらず後ろを振り向くことはできない。見てはいけないものがそこにあるような気がする。

『やっぱり誰かに見られている。』

 京介は振り子のように、不安とそれをうち消す気持ちとの間を行ったり来たりした。

(ブルブルブルブル・・・・)

 そこへ追い打ちをかけるように、背広の内ポケットに入れてある携帯のバイブがなった。

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