自分探しの旅
 駅まで送っていく道すがら、京介と由香里の二人は今起こったことを考えていた。

「わたし、ずっとおじいちゃんといっしょだったなんて知らなかった・・・」

 由香里はつぶやくように言った。

「おじいちゃんがわたしを守ってくれているんだ・・・」


 京介はまだ信じられなかった。初対面の人間の事前調査でもしたというのか?もはや、そこにはどんなトリックも入り込む隙はなかった。そして、由香里に生きる大きな支えを与えてくれたという事実。人がなんと言おうとこの事実だけは変えられない、京介はそう思った。
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