CHILDHOOD
ひみつ基地
学校帰り見つけた空き地
二人だけのひみつ基地
スクラップとダンボールとトタンの山
たからの山

ダンボールを組合せた小さな小屋
雨避けにブルーシート被せ
風に耐えろとトタンとパイプで壁を支え
思い付くままに空けた丸い窓

そこから見える空き地は輝いてた
鉄屑や不要なフェンスの山
放置され忘れられたゴミたち
どれもが皆キラキラ輝く可能性

何もない空き地にこそすべてがあった
何にでもなれる可能性
石ころ一つだって折れた釘だって
夢の材料だった


整然と並べられた玩具より
道におちてる空き缶が好き
君は言った拾って来た小瓶掲げ
たからものよ

それから始まった僕等のたから探し
ひび割れたビー玉古ぼけたどこかの鍵
菓子の空き箱に集めて隠す
二人だけのひみつ

一緒に作ったたからの地図呪文の書
僕等は勇者で魔法使いだった
海賊で大泥棒だった
不格好なひみつ基地僕等の世界

何もない空き地にこそすべてがあった
何にでもなれる可能性
ダイヤモンドよりキラキラ輝く
あの頃の僕等のたからものたち
< 1 / 4 >

この作品をシェア

pagetop