おバカ彼女&天才彼氏
「ねぇ、五十嵐君。御両親はどうしたの?見当たらないけど…」

「ああ。親は…」

「お父さんとお母さん、居なくなっちゃったんだよ」

「えっ…。そうなの…?」

ボゴッッ



「ぇっっ!?」

「いってぇ~!!!何すんだよ、兄ちゃん!!」


俺は、和貴の頭を本気で殴った。


お前のせいで、栗原絶対変なこと考えただろ!!


「ウソつくんじゃねぇ。何が“お父さんとお母さん、居なくなっちゃったんだよ”なんだ?2人とも、ヨーロッパで1ヶ月の旅行だろうが!!」

「だって~。ウソじゃないじゃん。居なくなったもん」

和貴…、てめぇ……。

ぶっ殺すぞ…?


栗原もおろおろしてるし。


「“居なくなった”じゃなく、“旅行に行った”って、ちゃんと言え!変な風に誤解されるだろうが!」

「ちょっ…。五十嵐君…?」

「あ?ああ。わりぃ。お前の料理、結構旨いぞ」

「ありがとね。もしそれがお世辞だとしても…」

「そんなんじゃねぇし。本当は…」


うっ…。


何か、恥ずくなってきた…。


自分で言ったくせに…。



ん?″本当は″??
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