王子様のお妃候補?
第1章

変わり者のご令嬢


緑豊かなアルファティア王国。

その王国は、争い事もなくとても平和な毎日を過ごしていました。


賢く威厳ある王。



優しく気品がある王妃。



民は、王と王妃をとても慕っておりました。



二人には、一人の美しい王子様がいました。

王子様は、見目麗しく知識が豊富で剣術、馬術に優れ国中の女の子の憧れでした。


王子様も今年で22歳。
しかし、妃をまだ娶ってはいませんでした。

王子様は、妃を選ぶ気がないようでした。



そこで王は何とか王子様が結婚をしてくれないか考えました。

そして王は自分の国の各領地を治めている公爵、伯爵たちに娘がいることを思いだし、その娘たちを王子様のお妃候補として城に招きいれようと考えました。


「ハルルク。」


「は、何でございましょう王様。」


「我が国を治める五つの領地の公爵、伯爵にこの手紙を送ってほしい。」


「分かりました。」



王様の側近であるハルルクは、王様からの手紙を受け取り、早速出しに行きました。


手紙をもち、去っていくハルルクの後ろ姿を眺め、王様は一人楽しそうに笑いました。



「どんな娘が来るのやら…。王子の心を射止める娘が来るといいのだが。」






そして、王様からの手紙は五つの領地に届けられました。



『貴殿の娘をアルファティア王国の第一王子であるシークラントの妃候補とする―…』



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