愛の手
あたしは眉をよせた。
「アレって、総司さんの車でしょ?」
それか祐輔さんか、仁さんのでしょ。
つねに運転してるのは二人なんだからさ。
それなのに仁さんは、即座に首を横にふった。
「若がお嬢のために買った車ですよ」
そっか……
だからあのヤクザ屋敷には似つかわしい白い色なわけだ。
「ってなんであたしのなワケ!!!?」
買って!!って騒いだわけでも、黒塗りメルセデスがイヤだって騒いだわけでもない。
むしろなにもいってない。
それなのにあんな高級車をあたしに与えるって、どういうことっ!?
仁さんは驚いた様子もなく、あたしを見下ろした。
「若の特別なかた、ですから」
……また、それですか?