愛の手

「七代目は、なりたくて組長になったわけじゃないんだって」

「……え?」


あんなに組長っぽい風貌の叔父さんが?

いかにもヤクザ!!って雰囲気なのに、なりたくなかったの?


「あんなナリして、本当は保父さんになりたかったらしいよ」

「ぶっ!!!」


予想だにしてなかった夢に、あたしは思わずふき出した。

だって、あの厳つい顔で保父さん!?

絶対子供近よってこないって!!!



「オレもその話し聞いたとき、ウソだろ、って笑ったぜ。そしたら半殺しだったけどな」

「半殺し……っ!!?」

それはシャレになんないって。


あの人なら、本当にやりそう。



ゾクッ



背筋に悪寒が走った。

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