愛の手
「愛理」
「――っ!?」
呼びかけられた名前にいきおいよくふり返った。
どこかで期待してたのかもしれない。
お父さんとお母さんがいるんじゃないのかな?って。
そんなはずないのにね、バカだよね。
ふり返った先にいたのは、悪魔なヤクザの若親分。
若は寝起きだったためか、髪がボサボサになってラフな格好でそこに立っていた。
こんなあたしをさがしてたのか、額にはうっすらと汗がにじんでいる。
それでもカッコよく見えるのは、整った顔立ちのせいだろうか。